クレーター肌になる原因は何?セルフケアとクリニックでの施術法について解説します!
「クレーター肌」とは、肌がまるでクレーターのように大きく凹んでおり、肌表面が凸凹に見える状態のことを指します。肌の内部にある真皮や皮下組織まで、傷ついて跡になってしまったことが原因で生じてしまうものです。
本記事では、クレーター肌について以下の点を中心にご紹介します。
- クレーター肌の原因と種類とは
- クレーター肌のケアの方法とは
- クレーター肌をカバーするメイク方法とは
クレーター肌について理解するためにご参考にしていただけると幸いです。
是非最後までお読みください。
クレーター肌の原因
クレーター肌といえばニキビ跡、と認識されがちですが、クレーター肌になってしまう原因はニキビ以外にもあります。
ここでは、クレーター肌の原因として
- ニキビ跡
- 肌のたるみ
- 乾燥
- 皮膚炎
の4つについてご説明します。
ニキビ跡
ニキビを潰したり、炎症の強いニキビを治療せずに放置したりすることによって、ニキビの炎症が肌の奥深い層である真皮まで到達し、肌の表面に凹凸が生じます。
ニキビによって毛穴まわりの皮膚組織が破壊されると、傷ついた肌の組織の修復のためにコラーゲンが大量に生成され、癒着が起こります。これが、ニキビ跡によるクレーター肌です。
ニキビ跡によるクレーターにも様々なタイプがありますが、いずれにせよ、クレーター肌になって皮膚が硬くなってしまった場合、もとの肌質に戻すのは難しいとされています。
ニキビができてしまったときには、クレーター肌になってしまうのを防ぐためにも、以下の点に注意しましょう。
- 洗顔と保湿を徹底する
- 紫外線を避ける
- 栄養をしっかりと摂って免疫力を上げる
- ファンデーションを厚塗りしない
- 肌に優しいスキンケアを使用する
- ニキビを潰さない
肌のたるみ
肌のたるみも、クレーターが目立つ原因になります。肌がたるむ原因には、加齢や生活習慣による皮膚の弾力の低下、皮下脂肪や皮膚を支える組織の劣化などがあります。
年齢を重ねるとともに、肌の中で作られるコラーゲンやヒアルロン酸といった肌の弾力のもととなる成分が減少します。
コラーゲンやヒアルロン酸の減少によって弾力が維持されなくなった肌はたるんでしまいます。すると、開いた毛穴が結合したように見えて毛穴が大きく目立つようになり、クレーター肌が悪化したように見えるのです。
肌のたるみは、紫外線対策や生活習慣の見直しなど、日々のケアを怠らないようにすることで予防しましょう。
乾燥
肌が乾燥すると、肌を守るため皮脂が過剰に分泌されるようになります。
皮脂の過剰分泌の状態が続くと、肌にとどまった皮脂が自己分泌された分解酵素によって「遊離脂肪酸」に変化するという反応が起こります。遊離脂肪酸は皮膚を溶かす作用があることが分かっており、これがクレーター肌の原因となる場合があります。
また、皮膚の乾燥によって皮脂が常時分泌されている状態では、毛穴も常に開いた状態になってしまいます。このことにより、深いクレーターができてしまうのです。
肌の乾燥は、ターンオーバーの乱れ・空気の乾燥・紫外線によるダメージ・間違ったスキンケア・栄養不足・加齢などによる皮膚のバリア機能の低下が原因となります。
皮膚炎
皮膚炎は、肌に起こる炎症のこと。
症状にはさまざまなものがあり、肌が乾燥してかゆみを起こす程度のものから、皮膚が赤くぶつぶつになるもの、膿を持ってただれるものなどがあります。
皮膚炎が発生しているときには、通常時よりも肌がダメージを受けやすくなっています。皮膚炎を治療せず繰り返してしまうと、皮膚の表皮よりも奥深くにダメージが及び、クレーター肌となってしまうといわれています。
また、皮膚炎によってできた水疱を潰してしまうこともクレーターができる原因になると言われているため、注意が必要です。
皮膚炎を起こす原因として、化粧品などの化学物質、花粉やハウスダスト、ウイルス・真菌・細菌、アレルゲンなどの外的要因、皮脂の分泌状態や発汗状態、アレルギー、アトピーなどの内的要因があります。
クレーター肌の種類
クレーター肌の原因について、さまざまなものをご紹介してきました。実は、クレーター肌には種類があり、それぞれでき方や対処法が異なっています。ここでは、クレーター肌の3つの型
- ローリング型
- アイスピック型
- ボックスカー型
について、ご説明します。
ローリング型
くぼみ方が比較的なめらかで、おわんのようにへこんでいるタイプのクレーターです。
いびつな形をしていて、真皮から皮下組織にかけてへこんでひきつれたような見た目をしているのが特徴です。深在性のニキビが原因と考えられます。
アイスピック型
開口部が小さいため一見すると小さな点にしか見えませんが、奥に深く穴が空いてしまっているタイプのクレーターです。
肌に細く深く穴が空いている様子がまるでアイスピックのような形状であることからこう呼ばれています。
ニキビによる炎症で毛穴が開いたままに変形してしまったものが原因と考えられ、治療が難しいとされています。
ボックスカー型
最もよく見られるタイプのクレーターがボックスカー型です。
直径は小さなものから大きなものまでさまざまです。肌表面が90°に近い角度で「凹」という文字のような形状でくぼんでおり、底面も平坦であることが多いのが特徴です。
くぼみの深さは比較的浅い傾向にあります。断面から見ると四角く貨物列車(ボックスカー)のように見えることからこう呼ばれています。
クレーター肌のセルフケア
クレーター肌は、原因となる皮膚の炎症が「治った」段階のものであるため、その過程でできた凹凸がきれいになくなることは難しく、元に戻すには美容医療に頼るしかありません。
しかし、丁寧なセルフケアによって肌の状態を整えることにより、徐々にクレーターを目立ちにくくすることは目指せます。ここでは、クレーターを少しでも改善するためのセルフケアについてご説明します。
スキンケア
スキンケアを丁寧に行うことでターンオーバーが促されます。肌表面をなめらかな状態に導くことができ、クレーターの目立ちにくい肌にすることができる可能性があります。
クレーターを改善するためのケアとして有効とされるものは2つあります。
1つは、洗顔と保湿ケアを念入りに行うことです。
クレーター部分にある古い角質を取り除くことにより、クレーターの見た目が改善されることが多いとされています。刺激を与えないよう良く泡立てた洗顔料でやさしく洗顔し、洗顔後には化粧水や乳液を顔全体をつつむようになじませましょう。
2つめは、クレーター改善にあったスキンケア用品を使うことです。
肌のターンオーバーを促すビタミンA、ビタミンC誘導体、低分子ヒアルロン酸、アスタキサンチンなどの入ったものを使うとよいでしょう。
美顔器
クレーターの凹凸をなめらかにしたい方におすすめなのが、美顔器の使用です。
美顔器にはいくつか種類がありますが、中でも肌の凹凸を改善するのに向いているのがRFタイプの美顔器やEMSタイプの美顔器です。
RFタイプは、温熱効果で肌のコラーゲンの活動を促すものです。肌の内側からふっくらとハリを出すことにより、クレーターの緩和が期待できます。
EMSタイプのものは、微弱な電流が筋肉に刺激をあたえることで肌のきめをととのえる効果が期待されています。RFタイプと同様に肌のもつ本来の力を高めることを目的としたタイプです。
美顔器にはそれぞれ適切な使用頻度や使用方法があるため、それらを守って、ケアに取り入れていきましょう。
生活習慣の改善
きれいな肌をつくるためには、外側からのスキンケアだけでなく、体の内側から変えていく必要があります。
食事の面では、炭水化物・脂質・タンパク質・ミネラル・ビタミンの5大栄養素をまんべんなく食事に取り入れ、3食きちんと摂るようにしましょう。
皮脂の分泌が多いと感じる方は、脂質や糖質の取り過ぎの可能性もあります。適度な量であれば健康上欠かせませんが、取り過ぎには注意しましょう。
睡眠も重要です。十分な睡眠を取ることでターンオーバーの促進が期待できます。22時~2時の間はベッドに入り、寝る前はブルーライトをなるべく浴びないようにしましょう。食事は寝る2~3時間前までに済ませておくのがおすすめです。
また、適度な運動は血流を良くすることで肌の状態を整える効果が期待できます。ストレスの解消にもなり、これもまた肌の状態を改善することにつながると考えられます。
クリニックでの治療方法
セルフケアでのクレーターの改善には限度があること、それ以上にきれいに改善したい場合には美容医療に頼る必要があることはおわかりいただけたかと思います。
ここでは、クリニックではどのようにしてクレーターを治療するのかをご紹介します。
ダーマペン
ダーマペンとは、髪の毛くらいの細い針が無数についている機器を使用して肌に敢えて傷をつけ、その傷が治っていく際に細胞が活性化する力を利用してクレーターを改善していく治療法です。
肌の修復過程でコラーゲン等が増幅することで、クレーターのへこみの改善が目指せるという仕組みです。
赤みや内出血などが数週間残るという副作用が出る可能性がありますが、ダウンタイムがほとんどなく、仕事復帰などもすぐにできるのが特徴です。
料金の相場は、全顔に行う場合は4万円~、部分的なら2,3万円~とされています。クレーターの状態によっては複数回の施術が必要となる場合があるため、カウンセリング時に何回の施術で納得のいく効果が得られるのか相談しておきましょう。
出典: クレーターのニキビ跡の原因と治療方法について|こたろクリニック
ピーリング
ピーリング(マッサージピール、ケミカルピーリング)とは、薬剤の力で肌表面を柔らかくし、古い角質を取り除く施術です。
薬剤の刺激で肌内部が活性化されることで、ターンオーバーの活性が期待でき、肌がなめらかになるという仕組みです。
通院は月1回の間隔で複数回必要です。副作用として、治療後のひりつき、乾燥などが表れることがありますが、ダウンタイムがほとんどなく術後の制限事項等も少ないため、ゆっくりと治療していきたいという方にはぴったりの施術です。
一回の施術時間は約10分と短く、忙しい学生や社会人の方でも受けやすい施術となっています。料金の相場は5,000円~8,000円程度です。
レーザー
レーザー治療は、レーザーを照射することで表層組織の古い細胞を破壊し、ターンオーバーを人工的に早める治療です。
ターンオーバーによる肌の生まれ変わりの過程で生成されるコラーゲンによって、肌の弾力性が高まる等の効果が期待されており、繰り返し行っていくことで肌の凹凸が目立たなくなるとされています。
レーザー治療にはいくつか種類があり、
- CO2フラクショナル
- ピコフラクショナル
- ノンアブレイティブフラクショナル
などが知られています。術後に赤みや腫れなどが生じることがありますが、ほとんどが1週間程度で自然治癒します。
基本的には月1回の治療で、クレーターの度合いによって通院回数は変わりますが、場合によっては年単位での通院が必要となります。
1回あたりの料金の相場は1万5,000円程度です。
クレーター肌をカバーするメイクアイテム
セルフケアで改善しきれないクレーターをできるだけきれいに見せたいけれど、美容医療を行うのはハードルが高い、と感じている方も少なくないのではないでしょうか。
クレーター肌の根本解決にはなりませんが、メイクによってある程度見た目をカバーすることもできます。
クレーター肌におすすめのメイクについてご紹介します。
化粧下地
クレーター肌のカバーに向いている下地としては、
- シリコン入りの下地
- メイク崩れ防止効果のある下地
- 日焼け止め効果のある下地
が挙げられます。成分表示に「メチコン」「ジメチコン」などのシリコンがある下地は毛穴を埋める効果が期待されるため、肌をよりなめらかにみせることを目指せます。メイク崩れ防止効果の見込める下地をつかうことで、毛穴落ちが予防され、クレーターによれたメイクがたまって汚く見えるのを防ぐことを目指します。また、日焼け止めと化粧下地を両方つかう場合はメイクがよれて毛穴にたまりやすくなるため、日焼け止め効果の含まれた化粧下地1つで済ませると良いでしょう。
また、クレーターが目立つ部分に下地を塗る際には、毛穴カバー下地(ポアプライマー)を併用して毛穴を埋めるのがおすすめです。
コンシーラー
クレーターを隠すには、コンシーラーを使用することも有効です。
クレーターが目立ってしまう理由の1つとして、クレーターによるへこみの部分に影ができることが挙げられます。
この影を明るく見せることができれば、クレーターが目立ちにくくなります。
クレーターを隠す際には、自分の肌やファンデーションよりも少し明るい色のコンシーラーを選ぶのがコツです。
また、固形タイプのものをつかうことでピンポイントにクレーター部分に乗せることができるのでおすすめです。
クレーター部分に明るいコンシーラーを入れることで、影が明るくなるため、クレーターが目立ちにくくなります。
コンシーラーを塗る際には、擦ったりたたいたりするような塗り方ではなく、スポンジを用いてプッシュするようになじませるとよいでしょう。
ファンデーション
クレーター肌を目立たなくするために、毛穴落ちを防ぐべきであるということは先ほどもご説明したとおりです。
そのためには、密着力がありヨレにくいファンデーションをつかうことをおすすめします。
毛穴カバー下地と併用することでかなり毛穴落ちを防ぐことができます。
ファンデーションを塗る際には、クリームタイプのものを選び、ブラシで下・横など、毛穴に対してさまざまな方向から塗ることで毛穴をカバーすることができます。
ついつい厚塗りしてカバーしたくなりますが、厚塗りは毛穴落ちの原因になってしまうため避けましょう。
フェイスパウダー
フェイスパウダーをベースメイクの仕上げにつかうことで、肌の凹凸を自然にカモフラージュして、つるんとした陶器のような肌に導くことができます。
フェイスパウダーを選ぶ際に重視したいのが、マットな質感であるかどうかです。パールの入ったようなツヤタイプのフェイスパウダーを使用してしまうと、クレーターの凹凸に光が当たって悪目立ちしてしまいます。
マットなフェイスパウダーをパフで押さえるようにつけることで肌の表面をさらさらに、均一に見せ、凹凸をぼかします。
毛穴を目立たせなくする効果を謳ったフェイスパウダーもたくさんあるので、そのようなものを選ぶとより理想的な仕上がりに近づくかもしれません。
クレーター肌に関するよくある質問
ここまでで、クレーター肌の原因や種類、予防法、クレーター肌の改善法をご説明してきました。クレーター肌についてもう少し理解を深めるために、以下ではよくある質問とその答えをご紹介します。
ニキビを潰さなければクレーター肌にはなりませんか?
ニキビを潰すことは、クレーター肌の原因の1つです。しかし、ニキビを潰さなかったからといって必ずしもクレーター肌にならないとは言えません。
ニキビを潰すことの他にもクレーター肌の原因があることは既にお伝えしたとおりです。
例えば、ニキビができてしまい、潰すことをしなかった場合でも悪化してしまったニキビは皮膚の奥の真皮層や皮下組織を傷つけてクレーターの原因になります。そのほかにも、肌のたるみや乾燥、皮膚炎もクレーターの原因になります。
つまり、ニキビを潰すこと以外にもクレーターの原因はたくさん考えられるため、日頃からお肌をいたわり、正しい知識に基づいたケアを行うことが必要です。
肌の凸凹をなくすことはできますか?
クレーター肌は、炎症などによって傷ついた肌の「傷跡」のような状態です。治った状態としてのクレーターを、さらに元の平らな状態に戻すことは極めて困難であり、たとえ美容医療の治療を受けたとしても100%もとに戻るということは保証できません。
特に皮膚の深い部分である皮下組織にまでダメージのある凹凸の場合は、完治させることが難しいでしょう。
ただし、浅いクレーターや多少の凹凸の場合、セルフケアや美容医療の力を借りることで改善が見込める場合があります。
洗顔の仕方で気をつけることはありますか?
クレーター肌の中でも、特にニキビに起因するものに効果的なのが洗顔です。
できてしまったクレーターを洗顔のみで解消することはできませんが、新たなクレーターを防ぐのに有効な方法です。
洗顔の際には、肌にダメージを与えないよう正しい方法で行いましょう。
洗顔のポイントは以下の6つです。
- 清潔な手で行う
- ぬるま湯で予洗いする
- 良く泡立てた洗顔料をつかう
- 摩擦を避けたっぷりの泡で丁寧に洗う
- ぬるま湯でよくすすぐ
- 清潔なタオルやティッシュで水気を取る
これらに注意して洗顔をすることで、肌にダメージを与えることなく肌を清潔に保つことができ、ニキビの予防ができます。
ニキビを予防することで、ニキビ跡によるクレーターを予防することにもつながるのです。
また、洗顔の回数は朝と夜の1日2回を目安にし、洗いすぎには注意しましょう。
化粧水はクレーター肌に効果がありますか?
お伝えしてきたように、クレーターをセルフケアだけで完全に改善することは難しいです。ですが、肌の環境を整えることは可能です。
肌を整えることにより、クレーター肌を目立ちにくくする効果が期待できるため、化粧水などのスキンケアにもクレーター対策を取り入れると良いでしょう。
クレーター肌を改善するのに向いている化粧水は、
- ハリを与える成分が配合されているもの
- 抗炎症成分が配合されていてニキビに効果的なもの
- 美白成分で色素沈着の改善が見込めるもの
- 保湿成分が配合されているもの
が挙げられます。清潔な状態の肌に、適量を使用しましょう。
クレーター肌まとめ
ここまで、クレーター肌についてお伝えしてきました。
クレーター肌の要点をまとめると以下の通りです。
- クレーター肌には3つの種類があり、主な原因はニキビによるダメージだが様々な要因がある
- クレーター肌はセルフケアでの改善は難しく、よりきれいに改善するには美容医療を取り入れることがおすすめ
- クレーター肌をメイクでカバーするには、毛穴に特化したコスメを使ったり、クレーターの影を明るくする等のテクニックを利用する
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。