Aging Management

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Aging Managementとは

私たち人間の寿命は「生命寿命」と「尊厳寿命」に分けられるでしょう。
生命寿命とは文字どおり、生命が尽きるまでの寿命。それに対して尊厳寿命とは、自らのアイデンティティを守りながら生きる時間をいいます。
たとえばある人にとっては「いつまでもエネルギッシュでいること」がアイデンティティであり、ある人にとっては「美しさを保って生きていくこと」がアイデンティティとなるなど、人それぞれの価値観によって、尊厳寿命は変わってきます。
「Aging Management」とは、単に「老化に抗う」という意味合いのアンチエイジング治療とは一線を画し、まさに光り輝く銅が年月を経て美しい青銅に変わることの素晴らしさを尊重します。人間の「気(Energy/Feel エネルギー感)」「能(Function 身体機能・認知・思考)」「美(Beauty 見た目の美しさ)」のすべてを対象とし、一人ひとりが尊厳寿命をまっとうするための、全身を対象としたエイジング治療を指します。

Total Aging Management

人の寿命は「生命寿命」と「尊厳寿命」に分かれます。「Aging Management」は老化に抗うだけでなく、エネルギー、機能、美しさを整え、個々の価値観を尊重して尊厳寿命を支える治療です。

目的別Aging Management

当クリニックでは、疲労、メタボ、肌や髪の再生、関節痛、ED、痛みなど、具体的なお悩みに応える目的別治療を提供しています。

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人の身体は細胞の集合体

私たちの身体の最小単位は「細胞」。その数は40兆個にもおよび、細胞の集合体が、臓器を含む人間の身体です。
今では多くの人が当たり前に知るこの事実も、かつては解明されないままでした。そもそも人間の身体の中に臓器があることがわからなかった時代の医療は「人を診る」、つまり医師ではなく宗教家の領域でした。その後「体内には臓器があり、臓器ごとに役割がある」ということがわかった時代に、「臓器を診る=現代の臓器医療」へと変わりました。その臓器についても「実はそれぞれ特有の細胞の集合体であり、それらが働くことで臓器機能を発揮している」ということがわかりました。それによって「最小単位である細胞を治すべき」という概念が生まれました。こうした研究の発展から、現代の医療が「臓器医療」から「細胞医療」へと変化しているのです。

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人には生まれながらに
「再建」のシステムがある

人間には本来、身体を維持するための素晴らしいシステムが備わっています。
私たちの持つ40兆個もの細胞(正常細胞)は、絶えず小さな損傷を繰り返し、その都度自らの身体のシステムによって「エネルギー合成」「細胞内解毒」「細胞内清掃」「細胞/DNA修復」「自死制御」「貪食免疫」「せん滅免疫」、そして「再生命令」「細胞再生」を行っています。こうしたスクラップ&ビルドの様相は、まさに20年に一度のペースで古くなった御社殿を新しいものに造り替え、永遠に御神体を守り続ける伊勢神宮の「式年遷宮」のようなものといえるでしょう。私たちの身体には、このような素晴らしい再建システムが備わっているのです。
とはいえ、こうした細胞のシステム=自己治癒力は、老化とともに確実に衰えていくものです。また、当然のことながら人の身体の状態は十人十色。自己治癒力維持のために何が足りないのか? 何が過剰なのか? なども、人によって違うものです。
当クリニックでは、細胞代謝メカニズムに着目し、それぞれの人に合った最適なアプローチを常に考えていきます。

細胞の基本機能と役割

1. エネルギー合成

細胞の中には数千~数万個のミトコンドリアという器官があります。ミトコンドリアの大きな役割は、私たちが生きていくうえでの「エネルギー」の源であるATPを産生することです。エネルギーの発電所ともいえるミトコンドリアの働きが正常でいることが、人/臓器/細胞がいつまでも正常かつエネルギッシュに動けることにつながります。次に述べる「解毒/清掃/修復/自死/せん滅/貪食/命令/再生」という細胞の機能には、すべてエネルギーが必要不可欠です。エネルギーがなければ、どんなに素晴らしい機能も無駄になるからです。

2. 細胞内解毒

細胞を正常に働かせるために、細胞内で発生した活性酸素や侵入してきた化学物質/重金属などの有害物質を「解毒」します。

3. 細胞内清掃

「清掃」は侵入してきたウィルス、異物に加え、壊れた細胞内器官や細胞内の劣化したタンパク質を「オートファジー」によってアミノ酸まで分解して再利用します。

4. 細胞/遺伝子修復

「細胞内解毒/細胞内清掃」が機能しない場合や、損傷因子に晒された場合に、「細胞/遺伝子修復」が機能して、DNA損傷の修復や細胞の寿命を延長します。この機能の中心が「サーチュイン遺伝子」です。

5. 自死制御

細胞/遺伝子を修復できない場合、「自死制御」が機能して、不要または損傷した細胞を計画的に排除します。この機能が「アポトーシス」です。

6. 貪食免疫

「貪食免疫」は死んだ細胞を「マクロファージ」が貪食(食べること)して除去することで、不自然な細胞が体内に生き残ることを阻止します。

7. せん滅免疫

「せん滅免疫」は「リンパ球免疫」が老化細胞やがん細胞を攻撃・排除します。

8. 再生命令

細胞は無尽蔵に作られているわけではなく、制御されて規則正しく作られます(なお、正常な制御機能を失って増殖し続けるのが、がん細胞)。「再生命令」は幹細胞の分化や再生命令を行います。

9. 細胞再生

細胞の再生は「命令」「分裂」「分化」という制御下で行われます。「失った細胞の数と種類を幹細胞に伝える命令(ホルモン/サイトカイン/成長因子/mRNA)」「命令に沿って細胞を生む幹細胞機能」「細胞が目的の種類の細胞に向かって変化する分化」が揃って、はじめて正しい細胞の再生が可能です。