ガミースマイルの原因とは?その予防法と対策をご紹介!
ガミースマイル原因について
ガミースマイルとは、笑顔になったときに歯茎が見えすぎてしまう状態のことを指し、一般的に3mm以上見えているとガミースマイルとされています。
笑うと必要以上に歯茎が見えすぎてしまうことにより、思いっきり笑うことに抵抗を持ってしまう方、笑った瞬間に手で口元を隠す癖がついてしまっている方も少なくありません。
本記事では、ガミースマイルの原因について以下の点を中心にご紹介します。
- ガミースマイルになる原因とは
- ガミースマイルの治療法
- ガミースマイルのメリット・デメリット
- ガミースマイルの原因に関するよくある質問
ガミースマイルの原因について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
ガミースマイルになる原因とは
ガミースマイルになる原因として主に以下3点が挙げられます。
- 上あごの骨格や歯並び
- 上唇の形状や筋肉の過剰な発達
- 親や祖父母の遺伝
それぞれの原因について解説します。
上あごの骨格や歯並び
ガミースマイルの原因で最も多いと考えられているのが「上顎骨の発達が過剰」ということです。
上顎骨とは上あごにある骨のことで、長く前に突き出していると、歯茎と歯が自然に前に出てきてしまいガミースマイルの原因となります。
また、人によっては歯の長さが短かったり、歯の生えている位置が低かったりする場合があります。
歯の長さが短いと、相対的に歯茎の面積が大きくなり目立ちやすくなり、低い位置から歯が生えている場合もその分だけ歯茎が見える面積が増えてしまいます。
結果として、歯全体のバランスの悪さから、笑うと歯茎がみえるガミースマイルの状態になります。
上唇の形状や筋肉の過剰な発達
上唇の縦幅が狭く唇が薄いことにより、歯茎が隠れず余分に出てしまうことでガミースマイルの原因となる場合があります。
また、上唇周りの筋力が強いために、骨格や歯に問題がなくても笑うと余計に上唇をあげてしまうことから、歯茎が見えやすくなるケースも多くみられます。
上唇の形状や筋肉の過剰な発達は先天的なもので遺伝する可能性があると考えられています。
親や祖父母の遺伝
ガミースマイルは歯や歯茎、骨格、筋肉などさまざまな要素が関係しています。
そのため、親や祖父母もガミースマイルの場合は遺伝の影響を受ける可能性があります。
しかしながら、遺伝的要素があるからといって、必ずしもガミースマイルになるとは限りません。
ガミースマイルの治療法
ガミースマイルは歯列矯正や簡単な手術で改善することができます。
ここでは上唇粘膜切除術、歯冠長延長術、マウスピース矯正を用いた治療法について解説します。
上唇粘膜切除術
上唇粘膜切除術とは、上唇の内側と歯茎を切除して縫い縮める治療法です。
縫い縮めにより、見える歯茎の面積を小さくすることでガミースマイルの改善が期待できます。
主に上唇の筋肉の力が強いために起こるガミースマイルの改善に効果が期待できます。
縫い縮めを行うため持続期間は半永久的とされ、縫合の方法が適していれば後戻りの心配もほとんどないといわれています。
施術後のリスクとしては、上唇を上げすぎてしまうことで縫合した部分が開いてしまうことが挙げられます。
再手術となる可能性が高くなるため注意が必要です。
歯冠長延長術
歯冠長延長術とは、歯茎が見える面積を減らす治療法です。
歯と歯茎を削り取った後にセラミック製の歯を入れ込むことで、より見た目の仕上がりを良くすることが見込めます。
歯冠長延長術は、歯がもともと短い人や歯並びが悪い人、出っ歯によるガミースマイルの改善に効果が期待できます。
持続期間は半永久的とされ、後戻りしにくい治療法といわれています。
麻酔を用いるため施術中の痛みも少なく、リスクもほとんどないとされています。
マウスピース矯正
ガミースマイルはマウスピース矯正で改善できることもあります。
歯が前に出ていることで歯茎が余分に見えている場合など、歯列が要因となり引き起こされるガミースマイルの改善に効果が期待できます。
他の治療法に比べて治療完了まで期間を要しますが、外科的処置がない分ダウンタイムも少なく、持続期間は半永久的とされ、後戻りもしにくい治療法です。
マウスピース矯正でガミースマイルを一定まで治療し、それでもまだ気になる場合は医師に相談のうえ、他の治療法を追加で行うこともできます。
ガミースマイルのメリット
ガミースマイルを改善することで、歯並びが整えられる、歯茎が見えにくくなるといったメリットがあります。
それぞれのメリットについて解説します。
歯並びが整えられる
矯正用アンカースクリューを用いることで、ガミースマイルを改善することで歯並びを整えることができます。
矯正用アンカースクリューとは、直径1~2mm、長さ6~10mm程度の金属製の小さなネジです。
この小さなスクリューを歯茎の骨の部分に埋め込み、歯を動かす時の固定源として用います。
アンカースクリューの登場により、従来のワイヤーのみの強制に比べて前歯の移動量を増やすことができたり、ワイヤー矯正だけでは難しかった方向へ歯を動かしたりすることが期待できるようになりました。
歯並びを整えることにより、ガミースマイルの改善に加えてフェイスラインを整える効果が見込めます。
歯茎が見えにくくなる
歯茎にボトックス注射をすることで過剰に発達した上唇の筋肉を抑制して、必要以上に出ていた歯茎を見えにくくすることができます。
ボトックス注射とは、ボツリヌス菌の毒素であるボツリヌストキシンを医薬品として生成したものを注射し、神経から筋肉へと伝わる信号を遮断し筋肉の動きを抑える治療法です。
歯茎を見えにくくすることによりガミースマイルの改善に期待できます。
ガミースマイルのデメリット
一見歯茎が見えすぎているだけで健康上は問題なさそうなガミースマイルですが、実はさまざまなデメリットがあります。
ここではガミースマイルのデメリットについて解説します。
コンプレックスになりやすい
ガミースマイルは、鏡を見るときや写真に写った自分を見たときに気付き、人によっては審美的観点を損なう要因になります。
普段はまったく見えていないのに、笑うと必要以上に見えすぎてしまうことで、思いっきり笑うことに抵抗を持ってしまう人も少なくありません。
笑った瞬間に手で口元を隠す癖がついてしまう方も多くいるでしょう。
また、ガミースマイルによってトラウマを抱えてしまったり、人間関係に支障をきたしてしまったりすることもあるようです。
人の第一印象のおよそ半分は視覚的情報を占めるといわれているため、相手によっては不格好な感じの印象を与えてしまうかもしれません。
口内環境が悪化しやすい
審美的観点以外のデメリットとして挙げられるのが、ガミースマイルに起因する虫歯や歯周病です。
上顎骨が前に出ていることでガミースマイルになっている人は、噛み合わせや歯並びにまで影響を及ぼしていることが多く、食べ物も挟まりやすくなります。
歯並びが乱れている箇所は歯ブラシが届きにくいため、歯垢が溜まりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
また、歯の向きが前方に突出しているガミースマイルの場合は口が閉じにくくなり、口の中が乾燥しやすくなります。
口の中の唾液の量が減り乾燥することにより、唾液が持つ自浄作用が機能しなくなり、これによっても、虫歯や歯周病のリスクが高まるとされています。
外国に行く際は要注意
外国、特に欧米では歯並びを非常に気にする傾向があり身だしなみの一つとされています。
歯は環境や文化面を示すものとして親が子どもを教育する時の義務であるため、歯並びが悪くガミースマイルであると辱めを受ける可能性があります。
そのため、幼少期から矯正を行うなど日本に比べて歯並びにおける美意識に対して積極的です。
もともと欧米人は日本人の骨格の性質上ガミースマイルになりにくいこともあり、海外でガミースマイルはネガティブに驚かれる可能性があります。
調査から分かった周囲のガミースマイルに対する認識
実際にガミースマイルを気にして見ている人はどのくらいいるのでしょうか?
株式会社Gunosyが全国男女100名を対象に行った「相手の笑顔が気になるワケ」アンケートの結果をご紹介します。
アンケート結果で5割以上を占めた回答は「歯が黄ばんでいる」でした。
回答理由としては、「歯が黄色いと手入れをしていないのではないかと思う」という理由が多く、「歯が黄色い人はタバコを吸っているイメージ」という理由も挙げられました。
歯の黄ばみそのものというよりも、黄ばみの原因が想起されイメージダウンに繋がるようです。
次いで多かった回答は「歯並びが悪い」「口角が上がっていない」となり、意外にもガミースマイルが気になると回答した人は1割程度でした。
ガミースマイル原因に関するよくある質問
ここではガミースマイルの原因に関するよくある質問をご紹介します。
ガミースマイルをボトックス注射で治療した場合効果はでますか?
ガミースマイルにおけるボトックス注射の効果は、大体1〜3週間で効果が実感できるようになるとれています。
ボトックス注射はヒアルロン酸注射のような速効性のある効果は期待できませんが、ボトックス注射はダウンタイムがなく施術当日からメイクや入浴も可能です。
ダウンタイムとは手術や皮膚レーザー治療後などに起こる痛みや腫れ、むくみから回復して日常生活に戻るまでの期間を指します。
ダウンタイムが長引くと日常生活に支障をきたすため、ダウンタイムがなく施術できる点はボトックス注射のメリットといえます。
ボトックス注射の持続期間は大体3〜6ヶ月といわれているため、効果を持続させるためには定期的に施術を受ける必要があります。
矯正治療は何歳まで可能ですか?
歯茎を支える骨が健康であれば年齢に関係なく矯正治療を行うことは可能です。
矯正治療に年齢制限はありませんが、虫歯や治療中の箇所がある場合、歯周病の症状がある場合、歯茎が下がっていたり薄くなっていたりする場合は、矯正治療が行えないことがあります。
60歳を超えても矯正治療を受けられる方がいる一方、口内トラブルが原因で若者でも矯正治療が受けられないこともありますので、治療を希望する場合は日頃の口内ケアが重要です。
ガミースマイル自体にデメリットはありますか?
ガミースマイルは病気ではないため、本人が審美面を気にされない場合はあまりデメリットがないように思われます。
しかし、ガミースマイルが原因で虫歯や歯周病といった口内トラブルを引き起こす可能性がある点には注意が必要です。
ガミースマイルの方は通常よりも歯茎の露出面積が大きいことから、歯茎が乾燥しやすい傾向にあります。
唾液量が減り口内が乾燥することにより、唾液による自浄作用の低下、結果として口内で細菌が増殖し虫歯や歯周病を招くことになります。
また、通常よりも歯茎が目立つことから、歯茎の変色も目立ちやすくなりますが、歯茎の変色は歯のホワイトニングで対策をすることができるといわれています。
「口腔内粘膜切除術」と「歯列矯正」での「ガミースマイル」の治療法に違いはありますか?
口腔内粘膜切除術、歯列矯正、どちらも歯茎の露出や歯並びを整えることが見込める治療法です。
ただ、違いとしては治療期間の長さが挙げられます。
口腔内粘膜切除術の治療期間はほとんどの場合1日程度でガミースマイルの改善に効果が見込めますが、歯列矯正は状態によっては数ヶ月〜数年程度時間を要する場合があります。
また、口腔内粘膜切除術では施術に麻酔を使用するため施術中の負担は軽減されますが、歯列矯正では矯正器具との相性が悪い場合、矯正期間中に痛みを伴うことがあります。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて治療法を検討するようにしましょう。
ガミースマイル原因のまとめ
ここまでガミースマイルの原因についてお伝えしてきました。
ガミースマイルの原因の要点を以下にまとめます。
- ガミースマイルの原因には骨格や歯並び、上唇の形状や筋肉の過剰発達、遺伝的素因がある
- ガミースマイルは様々な治療法で改善することができる
- ガミースマイルそのものは病気ではないが、ガミースマイルに起因する口内トラブルに注意が必要
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。