アートメイクとタトゥーってどう違うの?特徴を徹底解説!
アートメイクとタトゥーは、どちらも皮膚に針を刺して色素を入れる施術です。施術内容が似ていることから、アートメイクとタトゥーは何が違うんだろう?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アートメイクとタトゥーの違いについて、以下の点を中心に解説します。
- アートメイクの特徴
- タトゥーの特徴
- 施術の危険性
それぞれの施術の違いを理解するためにもご参考にしていただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
アートメイクの特徴
アートメイクとタトゥーの違いとして、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 施術の目的
- 針を入れる深さ
- 施術者
まずはアートメイクについて、これらの特徴をご紹介します。
目的
アートメイクの目的は主に以下の2つです。
- 日常のメイクを楽にする目的
- コンプレックス解消の目的
具体的には、眉毛やまつ毛、唇や髪など、悩みのある部位や病気で失った部位を自然にカバーするものとして行われることが多いです。
自分のすっぴんの状態をより美しく見せる「美容」的な目的で行われるのがアートメイクの特徴のひとつです。「すっぴんを自然に美しく見せる」というアートメイクの特徴は、針を入れる深さや施術するパーツにも関係してきます。
針を入れる深さ
人間の皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層によって構成されています。このうち、アートメイクで針を入れるのは、表皮(0.1~0.3mm)の部分です。
皮膚の浅い部分である表皮に2~3回に分けて色を入れることで、自然な色味が美しいアートメイクに仕上げます。
表皮は、真皮や皮下組織とは異なりターンオーバーしていく部分です。肌のターンオーバーに伴い、アートメイクは1~3年程度で徐々に退色し、薄くなっていきます。
施術者
アートメイクは、「医療行為」と位置づけられる施術です。そのため、アートメイクは美容クリニックやアートメイク専門クリニックなどの医療機関でのみ受けることができ、施術をおこなうことができるのも医師や看護師などの資格を持つ医療従事者に限られます。
ただし、医療機関でないサロンが施術を提供していることもあります。アートメイクはあくまで医療行為ですので、施術を受ける場合には、医師が在籍しているクリニックを選ぶようにしましょう。
タトゥーの特徴
さて、ここまではアートメイクの特徴として、
- 美容目的で行う
- 針を表皮部分に入れるため1~3年で徐々に薄くなる
- 医療従事者による施術である
ということをお伝えしました。
ここからは、タトゥーの特徴について、上記のようなアートメイクの特徴と比較しながらご説明します。
目的
美容目的のアートメイクとは異なり、タトゥーは「ファッション」を目的として入れられることが多いです。
以前より身近になってきたタトゥーは、自分の個性を表す目的やおしゃれとして身体の希望する部位に入れる人が増えてきています。
中には、身体にあるアザを隠すためという目的でタトゥーを入れる人もいます。アートメイクよりも色素が豊富で、身体の好きな所に入れられるため比較的自由度の高い施術であるといえます。
針を入れる深さ
皮膚に針を刺して色を入れていく手法自体はアートメイクと同様ですが、タトゥーは、皮膚の3層構造のうち表皮の内側にある真皮(1~2mm)まで深く針を刺して色を入れます。
真皮層はターンオーバーをしない層なので、一度色を入れたら自然に抜けることはありません。表皮に数回色を入れるアートメイクとは異なり、タトゥーは1回の施術で色素が抜けず半永久的に残ります。
施術者
タトゥーはアートメイクとは違い、「医療行為」と位置づけられる施術ではありません。タトゥーの施術者について法律などで特別何らかの規制があるわけではないため、「彫師」と名乗れば誰でも施術が可能な状況です。
そのため、タトゥーは、一般的には医師免許などの資格を持たない彫師が施術することになります。過去に医師免許を持たない彫師による施術が裁判になったことがありますが、「タトゥーは医療行為ではない」とする判決が出ています。
アートメイクができるパーツ
先ほどお伝えしたように、アートメイクには、医療行為として素肌を自然により美しく見せる施術であるという特徴があります。この特徴を生かして施術できる部位として特に人気なのが、
- 眉
- アイライン
- 唇
の3つです。
眉
眉は、アートメイクの中でも圧倒的に人気の部位です。人気の理由は、きれいな眉をキープでき、メイク時間の短縮になることが挙げられるでしょう。
眉は顔の印象を大きく左右する部位ですが、だからこそメイクが難しい部位でもあります。
眉のアートメイクは一本一本の毛並みを描くことができるため、コンプレックスのある眉もまるで元々眉がきれいな人のように見せることができ、すっぴんでも顔がくっきりとするといわれています。
アイライン
アイラインのアートメイクは、上まぶたに入れるものと下まぶたに入れるものがあります。目の形や二重幅、さらに左右差を確認して一人一人になじむアイラインをいれることができます。
アイラインのアートメイクを入れると、素顔でも目力がアップする効果が期待できます。上まぶたに入れるアートメイクは、まつげの間とその上の部分に希望のデザインで入れることができます。
下まぶたに入れるアートメイクは、まつげの下を埋めるようにして入れます。アイラインのアートメイクは、難しいアイラインを毎日描くことの煩わしさから解放されたい方にもおすすめです。
リップ(唇)
リップのアートメイクでは、リップの色や形を変えることができます。リップのアートメイクをすると、リップ単体だけでなく顔全体の印象が明るく変わります。
また、薄かったり暗くくすんでいたりするリップに自然で健康的な色味のアートメイクを入れると、違和感なく悩みを改善できます。
さらに、デザインによっては口角をきゅっと上げたデザインにでき、若々しく明るい印象にすることができます。これらの効果がメイクをしていなくても続くのが嬉しいポイントです。
アートメイクとタトゥーの痛さの違い
アートメイクとタトゥーは、似ているようで実は少し異なった施術であることはご理解いただけたかと思います。
ここでは、アートメイクとタトゥーには痛みの違いはあるのか?といった疑問を解明していきます。
アートメイクの痛さ
施術の箇所にもよりますが、アートメイクの施術で感じる痛みは毛抜きで毛を抜いたときの痛みに例えられることが多いです。
アートメイクは皮膚の浅い部分に施術をするので比較的痛みが弱いです。また、先ほどもお伝えしたように、アートメイクは「医療行為」です。
医療機関で医療行為としてアートメイクを行う場合には、麻酔を使うことができます。そのため、痛みに弱い方でも比較的受けやすい施術であるといえます。
タトゥーの痛さ
タトゥーは表皮よりも深く真皮まで傷つけるため、アートメイクよりも強い痛みが伴います。その上、医療行為ではなく医療機関以外で受けることもできる施術なので、麻酔を使用することができません。
彫師によっては医療従事者でなくても購入できる市販の麻酔クリームを使って施術をすることもありますが、それでもタトゥーの痛みはペンやカッターで肌を削られる痛みや強くやすりでこすられる痛みに例えられるほど強い痛みだといわれています。
アートメイクに関する危害
一見するとアートメイクは非常に魅力的な施術であることをお伝えしてきましたが、一方で健康を害するリスクも伴います。ここからは、アートメイクにかかわる危害をご説明します。
出典: アートメイクの危害
サロンの施術は危険
医療行為であるアートメイクは、きちんとした医療機関で施術しないと危険です。アートメイクを行ったことによって起こるトラブルは、多くがサロンでの施術で発生しています。
サロンの施術者は医師免許を持っておらず、いわゆる闇営業ともいえる違法な状態です。厚生労働省から発表されている危害件数のうち、サロンでの施術が95%であることからも、しかるべき機関で施術を受けるのが重要であることがわかります。
医療行為ですから絶対に安全ということはないですが、衛生面の管理がしっかりとなされた適切な医療機関で施術を受けることで、アートメイクで危害を被るリスクを低減することにつながります。
危害の内容
アートメイクを行ったことによる危害には様々なものがあります。失敗談としてよくあるものが、仕上がりが思っていたものと違った、変色してしまった等です。
これらは比較的軽度なトラブルで、もっと深刻な危害が起こってしまう例も多々あります。アートメイクによる最多の危害は「皮膚障害」です。施術した部位が化膿して治らない、痛みや腫れが長く続く、傷が残る、火傷してしまう等の症状が多いです。
さらに深刻なものとして、角膜の損傷による視野の異常などの事故が報告されています。こうした危害の被害者は若年層に多い傾向があるので、注意が必要です。
失敗しないクリニックの選び方
きれいにアートメイクを入れるためにも、そして、よりリスクを下げるためにも、クリニック選びは慎重にする必要があります。クリニックを選ぶ際には、以下の点を確認してみて下さい。
手彫りができるかどうか
本物の毛並みのような自然な眉毛に仕上げたいのならば、マシンよりも手彫りの方が向いているでしょう。
アートメイクの症例や実績、口コミ
自分の理想のデザインに近い症例があるかどうかも確認しておきましょう。また、公式HPやチラシ、広告などだけではなく、実際にそのクリニックでアートメイクを受けた人の声を参考にしましょう。
カウンセリング
施術者がきちんと説明をしてくれるか、自分の要望をしっかりと聞いてくれるかをチェックしましょう。
アフターケア
美しいアートメイクを保つだけでなく、健康被害のリスクを低減するためにも、アフターケアが充実しているクリニックを選びましょう。
金額
アートメイクは複数回にわたって行うことがほとんどです。料金プランをきちんと確認し、総額がいくらになるのかを確認しておくことをおすすめします。
アートメイクとタトゥーの違いに関するよくある質問
ここまでで、アートメイクとタトゥーの違いはおおよそご理解いただけたのではないかと思います。以下では、よくある質問に回答していきます。
アートメイクやタトゥーに保険適用はありますか?
結論から申し上げると、アートメイクもタトゥーも、ともに保険適用外になります。
タトゥーは医療行為ではなく、医療資格のある人が行うとも限らないため、当然保険適用にはなりません。
アートメイクは医療行為のひとつとされていますが、こちらも自費診療という形をとっています。自費での施術になるため、どれだけ安くても数万円はかかってしまいます。
年齢制限はありますか?
アートメイクに年齢制限はありません。そのため、未成年の方でも受けられないわけではありません。
しかし、多くのクリニックでは未成年の施術には保護者の同意を必要としていたり、たとえ同意書があったとしても未成年には施術しないクリニックもあったりします。未成年がアートメイクを行おうとする際には、慎重に判断する必要があるといえるでしょう。
また、タトゥーは半永久的に残るため、将来に影響を及ぼす可能性が高いという理由から、未成年がタトゥーを入れることは法律で禁止されています。
ティントとアートメイク・タトゥーは何が違いますか?
ティントは近年注目が集まっているコスメです。色素の粒子が細かいため、肌の表面の凹凸に入り込んで染まったような発色になります。
落ちにくいのが特徴で、1日~1週間程度メイクが残るものが多いです。アイブロウやリップなど、さまざまな商品が市販されています。アートメイクやタトゥーのように、肌を傷つけて色を入れていくものではないため、痛みを伴うことはありません。
皮膚に色をつける、という点では似ていますが、まったく異なるものです。
ダウンタイムの違いはありますか?
アートメイクとタトゥーでは、針を刺す深さが異なるため、ダウンタイムの長さがかなり違います。より浅いところに針を刺すアートメイクでは、施術部分のかさぶたや腫れが改善されるまでのダウンタイムが一週間程度であることが多いと言われています。
一方、深くまで針を刺すタトゥーでは、施術部位にきれいな新しい皮膚ができるまでのダウンタイムが1ヶ月にもなります。きちんとアフターケアを行うことでダウンタイムが長引いてしまうことを防ぎましょう。
アートメイクとタトゥーの違いのまとめ
ここまで、アートメイクとタトゥーの違いについてお伝えしてきました。アートメイクとタトゥーの違いについて、要点をまとめると以下の通りです。
- アートメイクは美容目的で行う医療行為で、眉やリップ、アイラインに入れることが多い
- タトゥーはファッションを目的として行う施術で、医療従事者でなくても施術可能
- 施術には皮膚障害などのリスクを伴うため、クリニック選びやカウンセリングは慎重におこなう
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。