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水素の効果

水素の効果 (Page 13)

本年度、名古屋大学から発表された論文。 この論文では、過去4年にわたり63もの疾患モデル動物および人に対する水素の臨床試験をおこない報告している。その中で特に *アルツハイマー病 *パーキンソン病 *虚血再還流疾患(心筋梗塞、脳梗塞など) に著効したとしている。 加えてこの論文の面白いところは、水素による治療の疑問点に焦点を当てているところだろう。 まず、この発表では効果の濃度依存性がなかったこと。ようするに水素濃度を上げてもその治療効果は変わらなかった点。 この点に関しては、当院ではリウマチ/アトピーといった炎症性疾患においては濃度に依存して症状の緩和が認められるため、個人的には疑問である。 もうひとつは、人やラットの小腸では「小腸腸内細菌からの大量の水素発生と体内供給」が行われているということ。 そこに外部から水素を供給すると明らかな効果があることに対する疑問である。 この点に関しては「腸内細菌の状態によって、供給される水素量に大きな差がある」という論文がいくつかの論文が発表されており、個人的にも「小腸からの水素供給量の差」が水素の効果と疾患回復に何らかの関係があるのではと考えている。 このように、国内外で水素治療の論文が急速に増加しているが、それだけこの効果が高く、共存する腸内細菌が作り出している物質という安全性を併せ持つためであろう。 当院でもその治療効果幅は広いことは確認しており、今後は *投与量 *投与間隔 *濃度 *投与方法 などのプロトコールの確立が重要であろうと考えている。 Molecular hydrogen as an emerging thera

水素がパーキンソン病モデルラットの神経変性と症状を改善したといういくつかの論文を過去にアップしている。 この論文も同じくパーキンソン病に対する水素治療の効果を示す論文であるが、ちょっと変わった方向性のもの。 この論文で興味深いのは『ラクツロース摂取によって腸内細菌で作られる水素』という点であろう。 ラクツロースは人の消化管で吸収されない二糖類であり、この糖を乳酸菌が取込む事によって大量の水素を発生させることがわかっていた。 その水素が今になって「実は人体の抗酸化作用をもたらしていた」ということがわかってきたのであろう。 他の論文でも、腸内細菌の状態によってラクツロース摂取後の呼気中水素濃度に差があったり、その差と8-OHdG(DNA酸化劣化マーカー)との相関性があったという論文がいくつか発表されている。 現在、我々のチームは水素を使った治療(点滴、筋肉注射、関節内注射、皮下注射、吸入、内服、外用・・)を多くの疾患に適応しており、それなりの効果を示している。 「ラクツロース⇔腸内最近⇔水素」の流れが明確になってくれば、治療医学/予防医学においての腸内細菌の役割が大きく変わってくる可能性が高い。 いわゆる「善玉」と呼ばれる腸内細菌が作り出す物質が多々あるが、そのひとつに『水素』が加わるということであろう。 Drinking hydrogen water and intermittent hydroge

変形性膝関節症やリウマチによる膝関節炎は、その痛みだけでなく、炎症による軟骨の変性によって歩行困難となり、患者のQOLを著しく低下させることが問題となる。 そしてその治療は現在「鎮痛剤」「関節内ヒアルロン酸注射」「ステロイド」であるが、それらには鎮痛作用があっても軟骨の再生能力はない。(ステロイドでは逆に破壊する) そしてその治療が効果を失った場合には「人工関節置換術」という選択肢となる。 この論文は関節内で発生する炎症が「活性酸素(ペルオキシナノライト)→COX2」の関係を明らかにし、それによる炎症反応の増強、軟骨組織の破壊、軟骨細胞の破壊(再生能力の低下)の機序について解説している。 変形性関節症やリウマチによる関節軟骨破壊/軟骨細胞の破壊/炎症の機序が活性酸素がトリガーとなっており、その活性酸素の除去がこれらの破壊と炎症を抑制するだけでなく、軟骨細胞の保護により再生機能を回復させるということになれば、加齢による関節疾患の大きな治療法のひとつになる可能性が高い。 当院でも関節疾患に対し水素治療(内服+点滴+関節内注射)によって歩行困難の膝関節炎患者が直後より歩行可能となり、痛みをほぼ感じない状態になって帰宅される例が多い。 この劇的な治療効果は水素による *抗酸化作用:軟骨細胞の再生、軟骨組織の保護 *抗炎症作用:痛み、浮腫の改善 と考えてよいのではないだろうか。 今後、大学と連携し、関節滑膜細胞の炎症に対しVIVO/VITRO両面の研究を進める必要があると考える。 Oxidative stress in secondary osteoarthri

水素による抗酸化治療戦略は新しい物質による治療のように思えるがそうではない。 他の論文にもあるように、本来水素は「腸内細菌」によって腸管内で作られ、体内を循環し、活性酸素の除去に役立っている。 よって水素による治療は、他の化学物質による治療と違い「人が本来持っていた抗酸化システムのひとつ」と言っても過言ではないであろう。 ミトコンドリアは細胞の中に存在するエネルギー工場であり、糖/脂肪と酸素からATPというエネルギーを作り出す。 その際に3%程度の「スーパーオキシド」という活性酸素が出来てしまう。 人体はそのスーパーオキシド(SO)を 1:SO+SOD(スーパーオキシドジムスターゼ)→H2O2(過酸化水素) 2:H2O2+カタラーゼ/GST→H2O(水) という2段階で除去しているが、 *SODやカタラーゼ、GSTの除去能力が低下 *強いストレスによるSO産生の増加 にがあると、反応によって「ヒドロキシラジカル」「ペルオキシナノライト」という悪性の活性酸素が出来てしまう。 この悪性活性酸素を除去していたのが *腸内細菌によって作られる水素 *食事で摂取される抗酸化物質 であったのであろう。 食品の変化(防腐剤や添加物の増加)、抗生物質の乱用などによって腸内細菌の死滅が現代人の問題のひとつになっている。 また、加齢によるSOD、カタラーゼ、GST産生能の低下により、大量に発生する「ヒドロキシラジカル」「ペルオキシナノライト」の除去能を失うことは、組織や遺伝子の酸化劣化スピードを格段に上昇させるであろう。 *ヒドロキシラジカル/ペルオキシナノライト産生の増加 *腸内細菌の死滅(=腸内発生水素量の低下) を補うための「水素療法」は重要な位置づけとなると考える。 *水素内服 *飽和水素水点滴 *外用水素クリーム など、その用途は今後「抗酸化治療戦略」の柱になるであろうと考えている。 Molecular hydrogen is a novel antioxida