【公式】辻クリニック

人の細胞は絶えず
「Re-Birth:生まれ変わり」をしている

2月 2013

NFκB(エヌエフカッパビー)は細胞内転写因子タンパクとして *炎症反応のトリガー *腫瘍増殖 *アポトーシスの制御 などに重要であることが近年になって解ってきている。 NFκBは *各種ストレス *活性酸素 *紫外線/放射線 *各種サイトカイン などによって活性を受け、炎症や細胞増殖に関与する。 最近、腫瘍細胞内においてNFκBが恒常的に活性化を受けていることが解ってきた。 NFκBの活性によって、抗アポトーシスタンパクの転写が起こり、腫瘍のアポトーシス機能が失われることによって腫瘍増殖が促進する。 それを受けて、NFκBの阻害が腫瘍増殖を抑制したり、腫瘍の抗がん剤感受性を上昇させたりすることが判明してきた。 ガン治療戦略には「ガン自体をたたく」ということは当然重要であるが、 *がん細胞の自滅を即す *新たながん細胞を増やさない *正常細胞のガン化を抑制する ということも重要であろう。 NFκBを制御する「消炎鎮痛剤:NSAIDS」の継続的投与がガンの増殖を抑制することが解ったきたが、その作用機序は「NSAIDSによるNFκBの抑制」であるようだ。 *ストレスがなぜいけないのか? *抗がん作用を示すとされる天然物質の多くが抗酸化酵素 *紫外線/放射線による発ガン など、今まで不明な点が多かった部分の解明に、このNFκBが関与することは間違いないようである。 また、水素治療によって「抗がん剤の作用増強/副作用軽減」が起こる理由は、水素の投与によってNFκBが大きく低下することと大きく関係するかもしれない。 The transcription factor nuclear

外傷性脳障害は外部からの刺激(衝撃)によって大脳皮質が損傷され、そこで発生する活性酸素によって障害範囲が広がる。このような現象は心筋梗塞や脳梗塞における『虚血再還流障害』においても同様である。 一度虚血に陥った部位は、その部位に発生する大量の活性酸素やサイトカイン等によって組織損傷が進行し、そこに再還流(血液が再度流れ込む)によって障害が大きくなる。 これに対し、発生する活性酸素(特にヒドロキシラジカル)の制御は大変重要である。 抗酸化治療において、最近になって重要視されているのが『抗酸化の選択性』であろう。 一般に「活性酸素/フリーラジカル」と言われるがすべて悪いものではなく、生理活性物質としての活性酸素も数多く存在する。 *NO(一酸化窒素):血管拡張作用 *H2O2(過酸化水素):免疫細胞内での殺菌作用 等は、生体の作用として大変重要であり、これらの作用を打ち消してしまうことは好ましくはない。 抗酸化治療においては『反応性が強く、組織酸化劣化作用の強い活性酸素を選択的に除去する』という考え方が主流となりつつある。 また、生体が持つ「自前の抗酸化酵素産生能:スーパーオキシドに対するSOD産生、過酸化水素に対するカタラーゼ産生」は、外部からの『SOD様物質』『カタラーゼ用物質』の投与が「過保護要因」として働き、酵素産生能を低下させてしまう可能性もある。 水素が「新しい抗酸化治療戦略」として研究されはじめたのは *ヒドロキシラジカル選択性 *BBB(脳の血液脳関門)通過性 である。 水素の抗酸化作用が *生体の抗酸化酵素産生能を邪魔しない *BBBを通過する(脳細胞に届く) *抗酸化作用発揮後、酸化物質として残存しない という利点を持つことが、他の抗酸化物質に比べて優れた部分であろう。 それどころか、この論文では水素による治療が『内因性抗酸化酵素活性を増加させる』ことに注目している。 水素がどのような作用機序で内因性抗酸化酵素(SOD、カタラーゼなど)を増加させるのかについては言及していないが、前出で論文にあるように、水素の遺伝子発現作用が影響しているのかも知れない。 これについても今後の研究が待たれる。 医療法人社団医献会 辻クリニック(四谷/麹町) Protective effects of hydrogen-rich saline in a r

実験は「外傷性脳障害」のモデルラットによって行われている。 外傷による脳障害後、大量の活性酸素発生によって、神経不全や再形成障害が発生し、神経シナプス障害/認知機能障害が発生することは確認されている。 そのため、障害後の抗酸化治療戦略を目的として「抗酸化医薬品」が承認されている。 研究では、ラットの脳に外傷障害を与え、その後に脳障害に対する水素の作用を検討している。 それによると、障害後のラットに対し水素を投与すると *酸化ストレスによって生じるMDA(マロンジアルデヒド)の減少 に加え *Sir2遺伝子発現レベルの上昇 *神経シナプスの可塑性(刺激に対する機能/構造的な適応)上昇 *モリス水迷路法での(認知機能試験)回復 を認めたとしている。 臨床上ではあるが、当院で行う『過飽和水素点滴/内服」によっても「マロンジアルデヒド修復LDL:酸化LDL」が優位に低下することは確認しており、動脈硬化リスクである酸化LDの低下は「動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞の予防/治療に役立つ治療」として期待している。 水素の抗酸化力によって、過酸化脂質発生によるMDAが減少することは当然であるとしても、今回の試験で見られた『Sir2遺伝子レベルの上昇』や『可塑性の上昇』は、単なる「抗酸化力」だけとは考えにくい。 レドックス制御は遺伝子に何らかの作用を示すことは、他の研究でも明らかになっているが、防御作用に加えて「再生作用」にまで影響を与える可能性は大変興味深い。 加えて、これが『水素の抗酸化作用』によるものなのか『水素の作用』なのかは現在のところ不明であり、今後の研究が待たれる。 医療法人社団医献会 辻クリニック(四谷/麹町) Hydrogen-rich saline protects against oxidati