【公式】辻クリニック

人の細胞は絶えず
「Re-Birth:生まれ変わり」をしている

10月 2012

水素が「強い抗酸化作用を持つ物質」であることは最近になって発見された(2007年にNatureに日本医大太田教授が発表したのが最初)そして最近になって、水素が「関節痛/関節炎」「皮膚炎」「各種アレルギー疾患」に効果をしめしたり、癌治療に有効であることもわかってきた。   水素の「抗炎症/抗アレルギー効果」「腫瘍増殖抑制効果」についての論文は多数出ているが、各論文のアプローチが違うためまとまりがない。 そこで「水素の抗炎症/抗アレルギー/動脈硬化抑制/腫瘍増殖抑制」の効果についてまとめてみた。 加えて同様の作用をもつ『ステロイド』『消炎鎮痛剤:NSAIDS』の作用とその副作用出現についても書いてみようと思う。*なるべくわかりやすく書くために、重要なポイントだけを抜粋しています。詳細をお知りになりたい方(専門の方)はPubMedに数多くの論文がありますので読んでみてください。活性酸素と炎症の関係は図にあるように『活性酸素発生→NFκB活性化→COX2活性化→PGE2/PGI2活性化→炎症反応』という経路によって発生する。活性酸素の発生は *ミトコンドリアから:ミトコンドリア機能低下(老化など)による*毒:肝臓が各毒素を解毒する際に使用するチトクロムP450など *尿酸代謝:プリン体→尿酸 に必要なキサンチンオキシゲナーゼなど、様々な反応で発生し、これが上記反応経路によって炎症反応を発生させます。水素の抗炎症作用は、この経路の『活性酸素』を除去することによって炎症を抑えます。「鎮痛部位:関節内、筋肉内、神経、皮膚」への投与により炎症が急激に治まるのはこのためです。話は変わりますが、同様の鎮痛作用をもつ薬剤に『ステロイド』と『消炎鎮痛剤:NSAIDS』があります。これらはそれぞれ作用点が違います。*ステロイド:NFκBの抑制による反応経路の抑制*NSAIDS:COXの抑制による反応経路の抑制です。水素、ステロイド、NSAIDSのすべてが「炎症反応に向う反応経路の抑制」という意味では同様の作用であると言えるでしょう。しかし、各薬剤には多くの副作用があります。この副作用発生のメカニズムは以下のようになります。【ステロイド】これはNFκB(エヌ・エフ・カッパ・ビー)を抑制することによって炎症を抑制しています。NFκBは炎症反応以外にも『免疫強化作用』『細胞接着作用』にも作用する重要な物質です。ステロイドの副作用に「免疫抑制作用」「皮膚/粘膜トラブル」「骨粗鬆症」などが存在するのは、生理活性的に発生するNFκBも抑制してしまうからです。   【消炎鎮痛剤:NSAIDS】 これはCOX(シクロオキシゲナーゼ)を抑制することによって炎症を抑制しています。COXには「COX1」と「COX2」が存在し、炎症反応を発生しているのはCOX2です。 COXはミトコンドリアがエネルギー(ATP)を産生する最終段階に必要な酵素であり、ここに関わるのがCOX2です。NSAIDSは「COX1も2も抑制してしまう」という性質があります(最近になってCOX2を選択的に抑制するNSAIDSが出てきましたが、とはいえCOX1を全く抑制しないというわけではありません)そのためNSAIDSには「エネルギー産生抑制」による多くの副作用(胃腸障害、倦怠感など)が存在します。*最近、COX2をブロックするNSAIDSに『腫瘍抑制効果』が見つかってきました。これはCOX2に腫瘍増殖作用があるためで、NSAIDSのCOX抑制作用が腫瘍抑制作用に働くためです。まとめると *ステロイド:NFκBの抑制→炎症も抑えるが、免疫、細胞接着、腫瘍壊死因子も抑制し副作用発現 *NSAIDS:COXの抑制→炎症も抑えるが、ミドコンドリアのエネルギー産生も抑制し副作用発現ということです。では水素はどのようにして作用しているのか?水素の抗炎症作用は何らかの障害によって発生した活性酸素を抑制することによる作用です。腫瘍壊死因子やIL-1によって発生するNFκBは抑制しません。またNFκBによって誘導される『COX2』は抑制しますが、それに関係しないCOX1の抑制はありません。これらに関する多数の論文を読んでみると、水素は『ステロイドや消炎鎮痛剤の副作用を持たない抗炎症作用物質』である可能性が高いと言えます。 加えて*COX2ブロックによる腫瘍増殖抑制作用*TNFα→NFκBラインを抑制しないことによる免疫強化、腫瘍壊死因子強化による抗癌作用、免疫強化作用*VCAM, ICAMによる細胞接着作用を抑制しないことによる副作用の軽減ということになる。これらは2007年から発表された『水素』『免疫』『炎症』『発ガン』などに関する多数の論文を読んだ上で、簡単にまとめたものです。これらのことをふまえると、水素の効果には無限の可能性があると確信しています。加えて、現在当院で行っている*水素による鎮痛治療*水素による癌副作用軽減治療*水素による動脈硬化抑制治療*水素によるアトピー性皮膚炎治療がエビデンスとして広く認識され、いずれ多くの医療機関で利用されることになるのもそう遠くないのではないかと考えている。 なお、この文章をまとめるために読んだ論文の一部は『最新論文の考察』『クリニックFBページ』にアップしてあります。

私が水素療法を勉強するもうひとつの目的は「放射線障害からの防護」であることは変わりない。 この論文は「放射線照射したマウスの心臓に対する防護作用」というものです。 この論文では、マウスに対し『7Gy:7000mSv相当』の放射線を浴びせ、水素投与軍と非投与群を比べている。 7Gyという量の照射は、人であれば確実に脂肪する量である。 非投与群では100%脂肪した照射量であっても、投与群では80%のマウスが生存した。 加えて、酸化ストレス障害の指標である『8-OHdG』『心筋MDA(マロンジアルデヒド)』を双方で検査したところ、水素投与軍で2つの酸化ストレス指標を低下させていた。 放射線障害には『直接障害:放射線が直接ダメージを与える』『と『間接障害:放射線によって発生した活性酸素(ヒドロキシラジカル)によってダメージを与える』があるが、このような高線量の場合であっても、間接作用による障害が主であることを示す論文である。 今後、どの程度の内被爆を抑える事ができるかは『拡散した放射性物質をどれだけ隔離できるか』にかかっている(多くは食物を育てる土壌と食品自体) もし、隔離がうまくいかない場合の防護策は『発生する活性酸素(ヒドロキシラジカル)をどれだけ消し去ることができるか?』ということになると考えている。 The potential cardioprotective effects of hydro

本年6月に発表されたこの論文は、水素の効果に数々の効果に対する仮説として大変興味深い。 水素がヒドロキシラジカルを含む「細胞障害性活性酸素種」を除去できる優れた抗酸化物質であり、酸化劣化による多くの疾患予防/治療に役立つ。 それ以外に水素は「強い抗炎症作用」をもつため、 *皮膚への使用:アトピー性皮膚炎、各種皮膚炎 *関節への使用:関節炎、腱鞘炎、軟骨炎 といった炎症性疾患にも高い効果を示す。 当院でも *関節炎に対し「関節内注射」 *肩こり/腰痛に対し「筋肉内注射」 *皮膚炎に対し「外用薬」 として使用することによって、それらの炎症が想像以上に早く軽減することを経験するが、ここでひとつ疑問が生じる。 水素は活性酸素と反応することによってそれを除去するが、その「活性酸素発生源」を止めていなければ、炎症はすぐに再発するはずである。 ことろが、炎症に対する水素治療は想像以上に効果時間が長い。(数ヶ月経っても痛みが再発しない人も多い) これは「水素は活性酸素の発生源に対しても作用しているのではないか?」と想像される。 ここで活性酸素の発生について考えてみる。 活性酸素の大元の発生源は『ミトコンドリア』である。 酸素と脂肪/糖からエネルギーを作り出すミトコンドリアからは必ず少量の「スーパーオキシド:SO」という活性酸素が発生する。 このSOを「SOD」を使って「過酸化水素:H2O2」へと変換し、カタラーゼ/GSHを使って水へと変換している。 (SO+SOD→H2O2→H2O2+GSH→H2O) 何らかの原因で *SOの産生量が増加 *SOD量が低下 *カタラーゼ/GSH量が低下 を起こすと、処理しきれなかったSOやH2O2は「生体内金属:鉄、銅など」と反応し「悪性の活性酸素」を発生する。 この論文では水素が生体内金属イオンのリガンド(配位子)として働くことによって、各種反応系を制御しているのではないかというものである。 金属タンパクは水素の標的分子のひとつであり、「M-H2反応」に よって金属タンパクを制御している。 このことは、生体内に存在する各種金属(重金属なども含む)の悪影響を制御する可能性が高い。 ようるすに、活性酸素の発生源である「遊離鉄、銅、その他重金属」のリガンドとして水素が作用することにより、細胞障害性活性酸素種が精製されにくくなるのではないかというのだ。 このような仮説に基づく理論は臨床と見比べてゆく事によって多くの発見があるであろう。 今後も最新の論文を検討しつつ、臨床での結果と照らし合わせてゆこうと考える次第です。 http://www.medicalgasresearch.com/content/pdf/2045-9912-2-17.pdf www.medicalgasresearch.com

デリケートな問題だけに、しっかりとした論文になるまで避けて来ましたが、とうとう論文ベースで『水素は放射線障害防護に役立つ」というものが発表された。(論文はBiochemical Journalという歴史も古く権威のある学術誌なので、信頼性は高いとみます) この論文は『水素は放射線照射によるマウスの精子形成と造血機能を保護する』というもの。 論文内では、放射線の副作用軽減薬として唯一承認されている『アミフォスチン』と水素の効果を比較検討している。 何度も書いていますが、放射線障害とくに内被爆は、放射線による直接障害というよりは『放射線が水と反応して発生する活性酸素(ヒドロキシラジカル)による酸化劣化障害』です。 よって内被爆予防は大きく *内被爆物質の取込みを避ける *内被爆物質を体内から取り除く *内被爆物質によって発生する活性酸素を除去する という3つが考えられます。 この論文では精子形成機能障害、造血機能障害への効果はアミフォスチンと比べて遜色のないものであったとしている。(精子数を増やし、骨髄有核細胞、白血球数を増加させた) アミフォスチンは副作用が強く、安易に使用したりすることはまず不可能ですが、水素は副作用もなく、予防投与にも適したものだと考えます。 私のもうひとつのライフワークである「内被爆予防の研究」を後押ししてくれる論文です。 Hydrogen-rich saline protects spermatogenesis