投稿

飽和水素水注射による鎮痛治療(ペイン)について

飽和水素水注射による鎮痛治療についていくつかご質問があったので、ご回答です。
*どのくらいの効果がありますか?
*他の疼痛治療(ステロイド、消炎鎮痛剤、麻酔薬など)とくらべ て治療(鎮痛)効果はどの程度ですか?

これらのご質問については以下のように考えています。
医学的に鎮痛効果度合いを計測することはできませんが、同等程度の鎮痛効果はあると考えています。(あくまでも患者さん本人の主観であるため)

この治療法のもっとも優れた点は『副作用がない』『薬剤(合成化学物質を使わない』だと考えています。

現在ペインクリニックや整形外科で鎮痛治療に利用される薬剤は
*消炎鎮痛剤(注射、内服、外用)
*ステロイド(注射、内服、外用)
*麻酔薬(注射、外用)
が中心です。

麻酔はあくまでも『その場の痛みを感じなくする』ことを目的としているため、治療としての方向性は違います。
消炎鎮痛剤やステロイドは、水素と同じように『原因→化学反応→炎症反応』の「生体内化学反応」に作用する薬剤です。

消炎鎮痛剤・ステロイド・水素を比較した場合、消炎鎮痛作用が同等と考えるならば
*副作用がない
*投与量に制限がない
*投与回数に制限がない
*投与部位に制限がない
という部分に関しては水素に利があります。

現在、世界中で多くの研究機関が研究を重ねていますが、水素の作用機序は
*抗酸化作用
*抗炎症作用
*抗アレルギー作用
*細胞(ミトコンドリア)修復作用
*DNA修復作用
ではないかと考えられています。

この作用を利用して
*アレルギー疾患:喘息、アトピーなど
*膠原病:慢性関節リウマチなど
*動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞
*神経変性疾患:パーキンソン病、アルツハイマー病など
*ガン
などに対する治療も試みられています。

このような臨床試験が急速に進むのも『副作用がない』という利点があるからです。

鎮痛作用も他の薬剤(麻酔を除く)に比べて遜色はありませんし、長期的な作用は優れていると思われます。(リウマチなどに対し半年以上の治療を行うと、関節機能の回復をみとめています)

よって、ご質問のように「他の鎮痛治療:他の鎮痛作用薬との比較」については
*短期的には遜色なし
*長期的には優れている
という考えです。

医療法人社団医献会 辻クリニック (四谷/麹町)
理事長 辻直樹

水素による治療の疑問点

本年度、名古屋大学から発表された論文。
この論文では、過去4年にわたり63もの疾患モデル動物および人に対する水素の臨床試験をおこない報告している。その中で特に
*アルツハイマー病
*パーキンソン病
*虚血再還流疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)
に著効したとしている。

加えてこの論文の面白いところは、水素による治療の疑問点に焦点を当てているところだろう。
まず、この発表では効果の濃度依存性がなかったこと。ようするに水素濃度を上げてもその治療効果は変わらなかった点。
この点に関しては、当院ではリウマチ/アトピーといった炎症性疾患においては濃度に依存して症状の緩和が認められるため、個人的には疑問である。

もうひとつは、人やラットの小腸では「小腸腸内細菌からの大量の水素発生と体内供給」が行われているということ。
そこに外部から水素を供給すると明らかな効果があることに対する疑問である。
この点に関しては「腸内細菌の状態によって、供給される水素量に大きな差がある」という論文がいくつかの論文が発表されており、個人的にも「小腸からの水素供給量の差」が水素の効果と疾患回復に何らかの関係があるのではと考えている。

このように、国内外で水素治療の論文が急速に増加しているが、それだけこの効果が高く、共存する腸内細菌が作り出している物質という安全性を併せ持つためであろう。

当院でもその治療効果幅は広いことは確認しており、今後は
*投与量
*投与間隔
*濃度
*投与方法
などのプロトコールの確立が重要であろうと考えている。

Molecular hydrogen as an emerging thera… [Oxid Med Cell Longev. 2012] – PubMed – NCBI