FGF21は成長因子としての作用ではなく「ホルモン様作用物質」と考えた方がよい。

ここにきて
『水素の抗肥満効果』
『水素の抗糖尿病効果』
『水素の抗脂質代謝(高脂血症、高コレステロール血症)効果』
の論文が世界中から発表されてきている。

水素になぜこのような効果があるかはまだ明確にはなっていないが、可能性としては
*ミトコンドリア機能の回復による
*脂質代謝を上昇させる因子の増強作用による
が考えられる。

個人的には、ミトコンドリア内の活性酸素を除去することによって、β酸化→TCA回路→電子伝達系→複合体Ⅴ/UCP経路が正常に機能するようになるためと推測していたが、この論文では「FGF21の活性化」が認められたことを発表している。

FGF21は成長因子としての作用ではなく「ホルモン様作用物質」と考えた方がよい。

この役割は不明な点も多いが、主に肝細胞から分泌され、脂肪細胞や膵β細胞、他の細胞に対し
*インスリン感受性の改善
*糖代謝改善(糖毒性回避)
*脂質代謝改善
*エネルギー産生能改善
という作用をもたらすことが解っている。

この論文内では、過食ラットに対し水素を投与したところ、水素を投与していないラットと比べ、摂取量がかわらないにも関わらず、水素投与ラットは
*肝臓からのFGF21分泌増加
をもたらしたうえで
*脂肪燃焼効率が高い(酸素消費、二酸化炭素排泄量が多い)
*体脂肪が増えない
*血糖値が上がらない
*脂肪肝にならない
*血中脂質が増加しない
という結果をもたらしたとしている。

この段階で「これらの効果はFGF21によるもの」とは言えないが(先に述べたミトコンドリアの活性化作用の可能性もある)、少なくとも現代人に問題となっている『脂質/糖質代謝障害』に大きな治療効果をもたらすことは間違いない。

当院においても、メタボリックシンドローム/肥満に対し治療を行ううえで、治療効果が停滞した方に水素治療を追加すると、治療効果が再度出現する場面に数多く遭遇する。

また、治療当初より水素治療を併用した場合に効果出現が早かったり、他の治療目的(肩こり、腰痛、心筋梗塞、脳梗塞など)に水素治療を行っていると、徐々に体脂肪が減少してくるという場面も多い。

これらの臨床結果をふまえ、臨床データと作用機序の擦り合わせが重要であろうと考えている。

Molecular hydrogen improves obesity … [Obesity (Silver Spring). 2011] – PubMed – NCBI
www.ncbi.nlm.nih.gov
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