水素を使ってATPを作るのが『複合体5タンパク』で、熱を作るのが『UCPタンパク』というもの。

我々が食事によって摂取した『燃料(糖、脂肪)』はどのようにして『熱とエネルギー(ATP)』に変換され、消費されるのか。

この疑問に対する研究は絶えず行われている。
この研究が行われるのは、近代社会が直面している『生活習慣病:肥満、糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症とそれに伴う疾患』が現代人の健康問題に多大な影響を与えるからであろう。

過剰に摂取される『エネルギー材料である糖と脂肪』の摂取量を減らすべきことは当然であるが、これらの抑制(自制)が困難であることは皆さんが直面している事実である。

加えて「痩せの大食い」という人種が存在することが「もしかすると食べても太らない仕組みが解明できるのではないか?」という夢を追求させる。

「食べても太らない人は本当に存在するのか?」

多分答えは『YES』である。

その仕組みは「エネルギー消費」によるものだ。

食事によって摂取された「糖、脂肪というエネルギー材料」は、細胞内のミトコンドリアという小器官でエネルギーに変換される。
ミトコンドリアはこれらの燃料から『水素』を取り出す。

取り出された水素(水素イオンと電子)は最終行程の『電子伝達系』で『エネルギー(ATP)を作るか?熱を作るか?』の選択に迫られることとなる。

水素を使ってATPを作るのが『複合体5タンパク』で、熱を作るのが『UCPタンパク』というもの。

痩せの大食いと呼ばれる人はこの『UCPタンパク』にからくりがあることが解っている。

UCPタンパクは当初、人にはあまり存在しない『褐色脂肪細胞』に存在するため、無関係と考えられていたが、このUCPタンパクにはいくつかの種類が存在することが解ってきた。

詳細はまた別の機会に書いてみようと思うが、太りやすい人が『単なる食べ過ぎ』というわけではなく「ミトコンドリアの機能が悪い人』という可能性が高くなってきた。

特に『UCPタンパクを作り出す機能が低い(もしくは低下)人』は、単なるカロリーコントロールだけでは蓄積する体脂肪を減らすことは困難であろう。

栄養学も含め、慢性疾患のコントロールは「細胞レベルのコントロール」という時代に入ってきたように思う。

とはいえ、『どれだけ食べても・・・』というわけではない。

あくまでも『摂取エネルギー材料を減らす』ということを前提とし、『その行為を効率的にする=結果が出る』ということを目的とすべきであろう。

Defective Dietary Induction of Uncoupling Protein 3 in Skeletal Muscle of Obesity-Prone Rats – Weigl