水素がSir2遺伝子(長寿遺伝子)を上昇させ、マロンジアルデヒド(酸化LDL)を低下させる

実験は「外傷性脳障害」のモデルラットによって行われている。

外傷による脳障害後、大量の活性酸素発生によって、神経不全や再形成障害が発生し、神経シナプス障害/認知機能障害が発生することは確認されている。

そのため、障害後の抗酸化治療戦略を目的として「抗酸化医薬品」が承認されている。

研究では、ラットの脳に外傷障害を与え、その後に脳障害に対する水素の作用を検討している。

それによると、障害後のラットに対し水素を投与すると
*酸化ストレスによって生じるMDA(マロンジアルデヒド)の減少
に加え
*Sir2遺伝子発現レベルの上昇
*神経シナプスの可塑性(刺激に対する機能/構造的な適応)上昇
*モリス水迷路法での(認知機能試験)回復
を認めたとしている。

臨床上ではあるが、当院で行う『過飽和水素点滴/内服」によっても「マロンジアルデヒド修復LDL:酸化LDL」が優位に低下することは確認しており、動脈硬化リスクである酸化LDの低下は「動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞の予防/治療に役立つ治療」として期待している。

水素の抗酸化力によって、過酸化脂質発生によるMDAが減少することは当然であるとしても、今回の試験で見られた『Sir2遺伝子レベルの上昇』や『可塑性の上昇』は、単なる「抗酸化力」だけとは考えにくい。

レドックス制御は遺伝子に何らかの作用を示すことは、他の研究でも明らかになっているが、防御作用に加えて「再生作用」にまで影響を与える可能性は大変興味深い。

加えて、これが『水素の抗酸化作用』によるものなのか『水素の作用』なのかは現在のところ不明であり、今後の研究が待たれる。

医療法人社団医献会 辻クリニック(四谷/麹町)

Hydrogen-rich saline protects against oxidati… [Brain Res Bull. 2012] – PubMed – NCBI
www.ncbi.nlm.nih.gov
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