有効な活性酸素と悪性の活性酸素:細胞内活性酸素レベルの違いについて

活性酸素は細胞や組織を酸化劣化させる中心的な物質です。
その反面、免疫細胞が細菌などをとらえると、細胞内で活性酸素を発生させて殺菌するシステムを持っているため『活性酸素は絶対悪』とは言いにくい。
この問いに対し、この論文は一定の回答となるでしょう。活性酸素の細胞からの発生は
*ミトコンドリアからの自然発生
*NOXによる機能的な発生
があることは以前の論文考察に記載ました。

NOXによる機能的な発生は主に『好中球,好酸球,単球,マクロファージなどの貪食細胞』で、その発生は細胞内でμM~mMレベルに増加し,殺菌作用をもたらすことが知られています。

では、通常の細胞はというと、主要臓器の基幹細胞や血管内皮細胞や血管平滑筋細胞でもROSは産生されるが,正常時はnM~μMレベルの低濃度に維持されているようです。

ようするに、μM~mMレベルの活性酸素の発生は「殺菌」などの特殊な場合であり、これがNOX酵素によるものであると考えられる。

主要臓器の細胞(一般細胞)の場合はnM~μMのレベルであり、このレベルの発生は「ミトコンドリアからの自然発生量」であり「正常範囲の発生」と考えてよい。

違う側面から考えるなら、一般細胞の抗酸化力(SODなど)は『nM~μM範囲の活性酸素』に対応できるものであり、それを越えた活性酸素には対応しきれないのであろう。

この論文は『血管内皮細胞』を例にとり、もし内皮細胞で通常量(nM~μM)を越えて活性酸素が発生した場合、自前の抗酸化力では処理しきれず、NOとの反応などによって細胞を障害し、アテローム硬化が進行し、動脈硬化や糖尿病性血管障害、その先の高血圧、脳梗塞/出血、心筋梗塞を引き起こすこととなると予測している。

老化や予防医学でいう『抗酸化治療』は「通常時/通常細胞の酸化ストレスを軽減する」ことが目的であり、老化はこの『通常時の酸化ストレスが過剰となった状態』をいう。

抗酸化治療によって「免疫などに関わる必要な活性酸素まで除去してしまうのではないか?」という心配は、NOXによる活性酸素増加システムを考慮すれば、心配する必要はないであろうと考える。

また、抗酸化治療のやり方によっても、効率的かつ有効な方法が存在することは確かである。

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