寿命制御におけるサーチュイン遺伝子の役割に関する新しい見解

今年9月にNatureに公開された論文です。サーチュイン遺伝子が寿命に関する遺伝子であることが発表されて数年が経過しますが、今回発表された論文はさらに踏み込んでいる。
この論文によると、サーチュイン遺伝子が寿命延長に関わるには、『ナイアシン:ビタミンB3』と『過酸化水素:H2O2』が関わる事が解ってきた。

詳細は論文をお読みいただくとして、興味深いのは、栄養学の研究が徐々に注目を浴びるようになり、エビデンスも揃いはじめていることでしょう。

生命とは本来、摂取した栄養から
*組織
*伝達物質
*エネルギー
などを作り出し、それを利用して『成長/破壊/修理/修復/活動/防御』を行っているわけである。

老化制御や病気の予防を考えるとき、「普段摂取されることはないが効果のあるもの」を見つけ出そうとするよりも、
*必要なものが欠乏していないか?
*必要であっても過剰になっていないか?
*不必要なものが入り込んでいないか?
を中心に考えることは重要だと考えています。

よって、今回の論文であっても「必要量のビタミンB3」の話であって、「飲めば飲む程長寿になる」という話ではありません。

栄養療法の基本は『欠乏量の是正』であるという考え方は変わっていません。
しかし、高濃度ビタミンC療法のように「過剰投与による薬理効果」は別の考え方です。
これは「栄養素が栄養量を越えると、薬理効果を発揮し始める」という事実を利用しています。
今回のナイアシンが『欠乏の是正レベルか?過剰投与による薬理作用か?』は今後の研究が待たれるところである。

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